金王朝・西夏

章宗

1168～1208

無難な治世の影で衰退の兆し…

金王朝の第6代皇帝（在位1189～1208）。名は完顔璟。中興の名君・世宗の孫にあたり、彼の治世で安定した国情のもとで文化事業を奨励し自身も宋の徽宗の書体をもとにした「痩金体」からなる漢詩文・書画を残した。対外面では従属していたタタール族の離反（1196年）や南宋の乾道和約破棄による北伐（1206年）に対処、前者はケレイト族のトオリル＝ハーン・モンゴル族のチンギス＝ハーンとの共同作戦で撃破し（この時トオリルを王に、チンギスを百人隊長に任命している）、後者は宋側の拙い戦略と離反者の投降もあって優勢のうちに和睦した。

その一方、章宗の治世では支配階級の女真族が尚武の気風を失い奢侈にふける傾向が強まり軍事力の低下や財政の悪化がすすみ、黄河氾濫などの天災も相次いで人心の不安が高まった。また章宗自身も対立する宗族の粛清や自らの子に全て先立たれるなどで皇室の人材を多く失い、死に際しては愚鈍といわれた叔父・完顔允済を後継者に指名しざるを得なくなったのだった。

そこそこの能力だが戦場に出すには不安があり、モンゴルと対決させるには心もとない。名君と名高い世宗（ゲーム開始の1189年まで存命）が国王だったら金でプレイするにはもっと楽が出来たろうに…

寿命：C

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 68 55 47 D C B E 農－－文－－ －－－－－伏
PS1 68 55 47 D C B E 農－－文－－ －－－－－伏

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衛紹王

????～1213

愚物、蒼き狼の襲来を招く

金朝第7代皇帝（在位1208～13）。名は完顔允済、世宗の第7子で先帝・章宗の叔父にあたる。

章宗の時代には衛王の位にあったがこの頃から「柔弱にして智能すくなし」と蔑まれ、勅使としてモンゴルの貢物受領を行った際にチンギス＝ハーンにその愚鈍さを見切られてしまった。さらに嗣子なくして没した章宗の指名で帝位に就いた結果、世代的に下から上への継承で民衆の不安を煽った上にこの報を受けたチンギスをはじめ勇者を重んじるモンゴル族の侮りを招き、その侵攻を招く原因をつくってしまったのである。即位直後には従属国の西夏がモンゴルの攻撃を受けるも援軍を出さず西夏を離反させてしまう。1211年にはついにモンゴルの侵攻を受けるが、このときもモンゴル侵攻の急報を信用せず逆に使者を監禁した愚を犯した。

対モンゴル戦の連戦連敗や耶律留哥の反乱といった政情の混乱の中で、敗走した将軍・胡沙虎の責任を問う事も出来ず逆に右副元帥に昇進させるなど論功行賞も支離滅裂で、最後は胡沙虎のクーデターに遭い監禁・殺害され東海郡侯に降された。後に衛王とされ紹と諡された事から史書では「衛紹王」と書かれ皇帝の扱いを受けなかった。

金朝の政情不安は章宗末期からすでに始まっておりいずれはモンゴルの侵攻があったであろう。が、愚鈍な衛紹王が即位ことはその流れを早めてしまったといえよう。

ゲーム上でも救われがたい能力で間違っても後継者には出来ないが、幸いにも登用技能があるので都市で留守番しつつ人材を集めることが出来る。この政治力では失敗する確率も高いのだが…。

寿命：B

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 26 48 42 D D C E －－－－－登 －－－－－－
PS1 26 48 42 D D C E －－－－－登 －－－－－－

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哀宗

1198～1234

絶望的な抵抗、まさに「哀」

金国第9代皇帝（在位1224～34）。名は完顔守緒、宣宗の三男。

即位後は西夏と和睦して対モンゴルに専念するも西夏滅亡後はモンゴルの全面攻撃に苦しんだ。1232年の三峯山の会戦で金軍の主力が壊滅した後は南宋に同盟を要請するが南宋は逆にモンゴルと同盟してこれを拒絶。その後モンゴルに首都・開封を包囲され蔡州に脱出するが、この地も1234年にモンゴル・南宋の連合軍に包囲され、馬にも乗れない肥満体だった哀宗は脱出の不可を悟り遠縁の皇族・完顏承麟に帝位を譲って後事を託し縊死した。最後の皇帝となった完顏承麟（末帝）は蔡州の脱出を果たせず乱戦の最中死亡、ここに金は完全に滅び去った。

亡国の主にはどうしても高い評価は与えられないといったところか。それでもこのゲームでは名将が揃うので充分挽回は可能。ＯＰの目標を達成すると彼の能力も上昇するが、これは焼け石に水かも。

寿命：D

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 57 54 49 D C B E －－建－－－ －－－－－－
PS 未登場

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完顔福興

????～1215

金国の宰相。史書によっては完顔承暉と記されている。金末期の武将としては有能であり、耶律留哥の遼国を破りその首都を占領する戦果を挙げた事もある。

モンゴル軍の侵攻で金が劣勢に立たされると主戦論者を抑えて講和を提案、自ら使者に赴き1214年に休戦条約を結んだ。その後宣宗がモンゴルを恐れて開封へ遷都するのに反対したが容れられず、宰相と軍総司令を兼任し旧都・燕京を守備した。1214年秋、金の違約を契機にモンゴル軍から再度侵攻されると燕京を包囲され援軍をも得られない状態で半年間の篭城に耐えていたが、1215年6月兵糧の欠乏により陥落を覚悟し服毒自殺した。

能力はまずまずだが前作「元朝秘史」に比べ評価は暴落、モンゴルと戦うにはかなりつらくなってしまった。それでも陳和尚が登場するまでは彼が戦闘の中心になるのは間違いない。

寿命：D

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 66 71 55 B C C E －商－－－－ －突－火－－
PS1 66 71 55 B C C E －商－－－－ －突－火－－

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完顔胡沙

????～????

金国の武将。完顔は王族の姓であるからおそらく宗族であろう。

参知政事という高位についていたが、1211年モンゴル軍の侵攻を胡沙虎らと共に迎撃するも臆病風にふかれ積極的な応戦が出来ず、会河堡で大敗を喫し軍を壊滅させてしまった。この敗戦の責をとらされ罷免されたが、軍隊はこの処罰が軽すぎることに不満を抱き軍律が乱れたという。後にモンゴルの支援を受けた耶律留哥の討伐軍司令官となるが大軍を率いたにもかかわらず敗戦を重ね、またも解任された。この時は彼の副将がしばしば留哥を破っている事から彼の無能さが際立っている。

「出ると負け」な将軍とあって能力はさっぱりだが序盤ではそれなりに役に立つはず。忠誠度は宗族にしてはあまり高くないので注意しよう。

寿命：C

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 18 57 42 C D B E －－－－－－ －－－－－－
PS1 18 57 42 C D B E －－－－－－ －－－－－－

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胡沙虎

????～1213

金国の将軍。性格は獰猛にして残忍、権勢をたのみに軍法もしばしば無視していた。

南宋の侵攻に対しては軍司令官として大功をたてたがモンゴルとの戦では受動的な戦術に徹して連戦連敗し、時の皇帝・衛紹王の不興をかった。1213年8月、衛紹王が彼を処罰しようとすると先手を打ってクーデターを起こし皇帝を捕らえ宦官に殺害させた。その後章宗の異母弟・宣宗を擁立したが、対モンゴル戦の敗北の処罰を恐れた将軍に邸宅を襲われ殺された。胡沙虎が権力を握っていたのは僅か50日間だったのである。

忠誠度がかなり低い物騒な存在だが、これを解決すれば序盤戦の主力となりうる。内政での働きは期待出来ないので軍人として割り切って使おう。

寿命：C

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 32 66 63 C C B E －－－－－－ －－－火－－
PS1 32 66 63 C C B E －－－－－－ －－－火－－

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完顔陳和尚

1192～1232

金王朝最後の砦、その凄絶な最期

モンゴルに抵抗した金国末期の将軍。早くからモンゴル戦に参戦していた様で1214年には捕虜となった記録が残っている。1228年、大昌原の戦でスブタイのモンゴル軍八千を僅か四百の兵で破り金国の士気を大いに高めた。この戦功で哀宗から定遠大将軍に任じられ、その後も衛州・倒回谷で勝利を重ねたが、1232年の三峯山の会戦でトゥルイの詭計に遭い大敗、釣州城に逃走するが後に自ら出頭し処刑された（自殺説あり）。

その最期は跪かされる為に両足を切断されたうえ口を両耳まで割かれたにも拘わらず最後まで屈服しない事を叫びつづけたという凄絶なものであり、モンゴルの将軍達を大いに感嘆させたのである。

武人としての能力は申し分ないが、かえって過大評価の観もある。確かにスブタイの軍を寡兵で破ったのは偉業だが、それ以外のエピソードが乏しくイメージ的に納得しかねるのだ。その上専用の顔ＣＧまで用意されているのは優遇の極みであろう。

寿命：C

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1・3 36 95 83 B A S E －－－－－－ 機－連－－伏
PS1 41 96 85 B A S E －－－－－－ 機－連－－伏

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仁宗

????～1193

西夏第5代の皇帝。1239年からの半世紀に及ぶその治世において西夏は文化面において仏教・儒教が大いに栄え全盛期を迎えていた。その影響のもと仁宗自身も文人の素養を備えていたが、政治面では治世の後半に外戚の台頭に悩まされ国力もようやく衰えを見せ始めた。

寿命は長めに設定されているが、高齢ゆえに余命幾ばくも無く子作りは望むべくもない。後継者になりうる親族がいるので技能を生かして内政に専念するのがいいだろう。彼の生存期間を考えたらモンゴルでプレイして史実どおりチャカを妃に迎えるにはモンゴル統一に時間はかけられないぞ。

寿命：A

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 54 45 48 D D C E －商－－外－ －－－－－－
PS1 54 45 48 D D C E －商－－外－ －－－－－－

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李純佑

????～1206

仁宗の長子で、後に西夏第6代の皇帝・桓宗となる。治世の大半は無難に過ぎたが1205年にチンギス＝ハーンによる最初のモンゴル軍侵攻を受け、政情は一気に不穏となる。これに対抗すべく金国との提携を目論むも、翌1206年に生母羅太后と甥・李安全の共謀により廃位され、同年配所で没した。

戦闘力はそこそこあるので何とか戦場では役に立つ。ただ彼を後継者にすると李安全が同郷将軍にランクダウンする。高齢なので国王には不向きかも。

寿命：A

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 52 59 59 D C B E －－建－－－ 機－－－－－
PS1 52 59 59 D C B E －－建－－－ 機－－－－－

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李安全

????～1211

善戦実らず、蒙古に屈する

西夏第7代の皇帝。襄宗と呼ばれる。父は仁宗の弟・李仁友。

モンゴル侵入による政情不安の中で1206年に伯父・桓宗を廃位して即位、対モンゴル徹底抗戦の態度をとった。1208年における三度目のチンギス＝ハーンの侵攻に対して篭城戦で対抗、城攻めに不慣れなモンゴル軍を苦しめたが翌年首都北方の中興府を水攻めされるに至りついに降伏、皇女チャカをチンギス＝ハーンの妃として献上し軍事援助と大量の駱駝等の貢物を約した。モンゴルに従属した襄宗は1210年にかつての宗主国の金と断交し戦端を開いたが、翌年、傍系皇族のクーデターで廃位されて死んだ。

彼の後継者達は大西征に対する軍事援助を拒絶し再度金国と同盟したがチンギスの4度目の遠征の前に撃滅され西夏を滅ぼしたのだった。

モンゴルとの徹底抗戦が評価されたのか文弱傾向の強い中国ではかなりの戦闘力を誇り、他の能力も十分通用する。西夏の次代国王にはうってつけであると共に他国でプレイしても婿将軍の候補と成り得る存在だ。

寿命：D

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 67 73 64 C B B E －商－－－登 機突－－－－
PS1 67 73 64 C B B E －商－－－登 機突－－－－

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李仁友

????～????

西夏第4代皇帝・崇宗の子で、仁宗の弟。越王に任じられた。越は中国華南南部の地方で西夏の領域では無いが、中原を支配する王朝の官制をそのまま採り入れた名残だろう。彼の息子李安全が後に第7代皇帝となっている。

特技が無い、余命も短いとあってはどれだけ役に立てるかわかったものではない。存在感の無さでは全登場人物のなかでも1、2を争う存在だ。

寿命：C

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 47 53 53 D D C E －－－－－－ －－－－－－
PS1 47 53 53 D D C E －－－－－－ －－－－－－

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アジャ＝ガンボ

????～????

西夏の家臣。神宗（李安全の次の国王）の頃から発言力が強く、チンギス＝ハーンが大西征の際に西夏に従軍を要求すると国王より先に言を発し「力なくして西征できないなら皇帝になるな」と拒絶の姿勢をとった。すでに従属していた西夏の一家臣の不遜な態度はチンギスのプライドを著しく損ねたが西征を控えたチンギスは報復をその帰還後まで延ばした。

アジャ＝ガンボとしては、援軍を出さない事でモンゴル軍が西征に失敗し没落する事を望んだのかもしれないが完全に裏目に出た上チンギスの4度目にして最後の西夏遠征を招いてしまったのである。チンギスの遠征軍にも挑戦的な言動を続け、賀蘭山に篭り抵抗するが敗れて捕殺された。

西夏は仏教国なのだが彼は何故かイスラム文化圏に所属。砂漠の多い西夏では駱駝兵を率いて活躍したいところだが生憎ゲーム開始時点では駱駝兵が使えない。能力は意外と高めだ。

寿命：C

登場 政治 戦闘 智謀 歩 弓 騎 水 内政 戦闘
S1 64 61 57 C C B E 農－－－－登 －－－－－－
PS1 64 61 57 C C B E 農－－－－登 －－－－－－

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