第二巻:第6集〜第10集あらすじ

第6集 孛儿帖、救出される (ボルテ、救出される)

テムジンはかつて離反したブルキン氏のセチュベキの支援申し出を快諾、反発する弟達に対し「敵が多すぎる身には多くの仲間が必要だ」と告げた。三族からなる4万の連合軍は総指揮官に推されたジャムカの迂回急襲作戦でメルキト族に完勝、ボルテ・ゴチアクンはテムジンに救出された。しかしエスゲイの第二夫人は汚れた身を恥じて自殺、母の死に激昴したベルクタイは降伏したメルキト兵に次々と切りかかった…

戦後、テムジンとジャムカは行動を共にしボルテは出産を迎える。ジャムカとの会話でボルテの子の出生に疑念を抱いたテムジンは息子の名をジュチとする。ボルテとメルキト人の関係を疑うテムジンはゴチアクン・ホエルンから厳しく戒められジェルメからも「狼になるか駿馬になるかは貴方次第だ」と忠言されるが、なおも悩みは尽きない。

テムジンはジャムカから今後の放牧地についての暗示めいた言葉を告げられ、その意についてホエルンに相談する。ボルテ・ホエルンはそれぞれの見解からジャムカとの決別の時だと判断、テムジンもモンリクの言葉を思い出し、ジャムカに告げず大移動を開始する。万を越えるテムジンの部族の移動に出くわしたタイチウト氏は遁走しジャムカを頼る。テムジンは置き去りにされたタイチウトの少年・ボロクルを母の養子にする一方で、恩人のカダアンを偲ぶ。

第7集 十三翼の戦い

伯父アルタンとジャムカの従兄弟ゴルチがジャムカから離れテムジンについた。「テムジンが将来のモンゴルの主になる」との夢見を告げたゴルチはその報酬に30人の妻をもらう事を約束され、さらにモンゴルのハーンを称すべきと進言する。テムジンは叔父達を味方につけてハーン位の競争相手セチュベキを掣肘、部族会議(クリルタイ)にてモンゴルキャン族のハーン位に就く。有力者のダリタイ・フチャル・アルタン・セチュベキはテムジンへの忠誠を誓うが…。

テムジンのハーン就任に心中穏やかでないジャムカ。またテムジンの部下達もジャムカが仇敵タリグタイを引き入れた事に不快感を持つ。テムジンはかつての恩義を思いジャムカとの敵対を避けようと努めるが、ジャムカの弟がキャン族の馬を強奪する事件が起こり、ジェルメが彼を斬殺してしまう。これを目撃したトドがジャムカに歪曲して伝えたため二人の関係は完全に決裂する。

1191年春、ジャムカはタイチウト・メルキト・ナイマン族ら13部族と連合しダランバジュルトの地でテムジンを急襲する。モンリクの息子ココチュからその報を受けたテムジンはジャムカとの戦いを決意するが、自らの劣勢を悟り包囲網を突破して逃走する。こうして「十三翼の戦い」はテムジンの敗北となった…。

第8集 塔塔儿族を討つ (タタール族を討つ)

十三翼の戦いで勝利したジャムカはタリグタイの提案でテムジン側の捕虜を釜茹でにする。一方テムジンの下にはモンリク・ジュルチェディが帰参した。彼らを歓待する宴にて、泥棒をしたブルキン氏族の者の処罰をめぐり警護役のベルクタイとブルキン氏のブリ=ボコが衝突、ベルクタイが負傷。これが元で宴は乱闘の場と化しブルキン氏はテムジンと決別。この事件でテムジンに捕えられたクウルジン妃の釈放を求めたブルキン氏の使者・ムカリと会ったテムジンは彼の人格を大いに気に入るが…

1196年、34歳のテムジンは金国の使節・耶律阿海からタタール族討伐の命令を受ける。金国への恨みから部下の大半は拒絶・静観を主張するがテムジンはゴルチの意見を容れタタール討伐を決断。金国と結ぶ事に激怒したホエルンであったが、テムジンの深謀遠慮を知って彼が夫エスゲイを超える英傑となったことを悟った。

テムジンはケレイト族のトオリルに協力を要請、金軍と共にタタール族を撃破、仇敵の一人メクジンセウルトを自ら討ち取る。金国の宰相・完顔襄はトオリルを王に、テムジンをジャウトクリ(警備隊長)に任命した。。

第9集 鈴木真可汗の台頭 (テムジン・ハーンの台頭)

祖国を金に滅ぼされた契丹人の金国使節・耶律阿海はテムジンの人物を見込んで仕官を望むが、テムジンは時期尚早とみなし拒絶する。凱旋したテムジンは戦場で拾ったタタールの孤児・ジギクドクウを母の養子に加えた。出迎えた息子達の成長ぶりを喜ぶなど場が和む中、ブルキン氏に戦利品を届けた使節が虐待されテムルン(テムジンの妹)の夫が殺されたとの報が入る。テムジンは速やかに報復攻撃を行いセチュベキを処刑、最後まで彼を守って戦ったムカリを自らの護衛に任じた。

1201年…強大化するテムジンに危機感を持ったジャムカはオンギラト・メルキト・タタールら各部族と同盟しテムジン討伐を決意する。テムジンもまたジャムカとの対決に備え兵馬の鍛錬に余念がないが、アルタン・フチャルらはその激しさに不平を漏らす。

新勢力の代表・テムジンと旧勢力の代表でグル=ハンとなったジャムカはコイテンの戦場で相対する。ボルテの父ディ=セチェンはテムジンを案じソルカン=シラを介してジャムカの布陣を伝える。クウルジン妃とブリ=ボコはオンギラト族の件でボルテを告発するがテムジンはこれを一蹴、逆にブルキン族の不平分子を抑えるべくベルクタイにブリ=ボコとの決闘を命じ、これを殺させた。

第10集 闊亦田の戦い (コイテンの戦い)

テムジンはゴルチをジャムカと交渉させる間に地形上の優位を確保、ディ=セチェンは内通罪でジャムカに処刑されかかるが意外な人物の機転で助けられる。テムジンは同盟軍のトオリルにジャムカ・メルキト攻撃を要請、自らはタイチウト・タタールを攻める。ジャムカはナイマン族のブイルクに命じて戦意高揚の祈祷を行うが逆風に会い逆効果に終わり、その上テムジンの同盟軍の猛攻を受けて大敗した。

タイチウト族を追い詰めたテムジンは弓の名手・ジルゴアタイから狙撃され重傷を追う。ボオルチュは影武者となって攻撃を続ける一方、ソルカン=シラに命じてタリグタイを孤立させる工作を行う。その夜、アルタン・フチャル・ダリタイはテムジン死後のハーン決定を提案するがムカリ・テムルンに一蹴される。ジェルメは献身的にテムジンを看護、敵陣から馬乳酒を盗み出し彼に飲ませる。回復したテムジンはジェルメの忠誠に感激する…。

ケレイト族では追撃戦の方針とテムジンへの信頼をめぐりトオリル・サングン父子が対立する。全ての民に見捨てられたタリグタイは家臣ナヤアの助けで逃亡するがトドの再度の裏切りで遂に殺された。

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