大海の覇者　１２３０新春〜１２３０秋

１２３０年新春、年明けと共に、広州のドヒニチャンは泉州の民をまともに統治しようとしない日本に宣戦布告した。

ドヒニチャン「泉州に向かう将軍は私、婿ジャラール、同バルバン、同ジヘメソ、アノヴァナだ。ボタマージャやネユヴァナ達には引き続きペグーの防衛に当ってもらう。泉州城は朽ち果てていると聞くが、各員気を引き締めるように！」
将軍達「おおっ！」

モンゴルとの戦いに忙しいのだろう、ろくに日本軍の妨害もなく、各地を統治下にいれつつ進むシュリーヴィジャヤ軍。
この戦争を正当化するため、ろくに統治されていない村や町に兵糧を分けることも怠らない。
その軍が泉州で見たものは驚くべきものだった。

バルバン「うわぁぁぁ…。」
アノヴァナ「何でしょうね、あれ…。一応日本軍はいるみたいですが。」
ドヒニチャン「ボロボロだな…。城門も開けっぱなしだし…いや、これは噂に聞く『空城の計』ではないか！？」　＊注１
ジャラール「そのようなこともないと思いますが…。　！　父上、注意してください！あれは投石器です！」
ドヒニチャン「…城や拠点を攻撃するのに使うという、あれか？」
ジャラール「はい。ですが、軍団そのものに使っても大きな成果を上げます。直接近づこうとするのは危険です。」
ドヒニチャン「今回は敵の城も相当弱っておることだし、いつもの手で宮殿破壊といくか…。ジャラールが総指揮をとり、はあれの射程外で敵を引き付けておいてくれ。混乱させるのも忘れないように。」
ジャラール「御意！」

近衛部隊は伏兵城壁越えにより実にあっさりと裏から侵入。すでに大黒柱は一本となっていた宮殿を楽々と破壊、日本軍は散り散りになった。

ドヒニチャン「まずはすぐに内政の為の人材を呼び、ここを早急に復興させないとな。我々はこの余勢をかって、補給してすぐ臨安へ向かおう。兵がみな不完全燃焼だと息巻いておることであるし。…あの投石器は使えないのか？」
ジヘメソ「奴らが皆燃やしたり壊したりしてしまいましたからね…。設計図も前にここが落ちたときに紛失したのか、見つかりません。」
ドヒニチャン「いたしかたないな、このままの編成で向かおう。」

夏に出撃、盛夏に臨安近郊に到着するも、建設に従事していた将軍が多数いてうっとうしいので追い払った。

ドヒニチャン「モンゴルへの使者は？」
アノヴァナ「既にツヨジャンが出発しております。彼は随分頭もいいし、弁も立ちますから悪いことにはならないでしょう。」
バルバン「ところで日本軍の名将の噂を耳にしたのですが…。」
ドヒニチャン「誰だ？」
バルバン「完顔陳和尚という者で、モンゴルに滅ぼされた金の武将だったとか。各地でモンゴル軍に連戦連勝しておるそうですが、あまりいい扱いはされていないようです。」
ドヒニチャン「うむ…。ならば息子のネウマーラを向かわせよう。あれも戦場は得意でないが弁は立つからな。」

そして秋、ついにドヒニチャン・ジャラール・ジヘメソが臨安城に取りついた！

ジャラール「なんと日本国王・北条泰時自らが守っているとは…厄介ですな。」
ドヒニチャン「ここは対日本…そして対モンゴル、そして政治にも重要な城だ。必死さが窺えるな…今までのように宮殿に傷をつけるわけにはいかんな。裏から回りこんであの国王だけをしとめよう。難しいとは思うが、できるだけ撹乱させておいてくれ。」
ジャラール「わかりました。　よし、敵投石器の射程外に一列に並び、敵を威圧するぞ！」

しばらくして、遂に敵国王の第一部隊を混乱させることに成功した。
伝令「敵第一部隊は混乱しましたが、今だ各部隊は健在の模様！」
ジャラール「ではまだ近づけないな…。しかし敵に混乱を回復する力はない、矢継ぎ早に工作せい！」
ドヒニチャン「まだ敵は少数健在のようだが…時間が無くなりかねん、一気に行くぞ！」
ジャラール「よし！敵全てが混乱した！」
幸運にも、国王部隊が侵入した頃、日本軍全てが混乱したのである。

ドヒニチャン「やったなジャラール…よし、宮殿は温存！敵部隊に放火しつつ、国王のみ狙えい！」
…混乱してしまった兵に既に抵抗能力は無く、すぐに国王が引き出されてきた。

北条泰時「私の負けだ…。こんなところでつまずくとは…。存分になされい。」
ドヒニチャン「彼は新法を作るなど非常に内政手腕に長けた人物とか…。何とか登用できぬものかな。」
ジヘメソ「ならばここは逃がしてやっては？」
ジャラール「そうです。それに、彼のもとなら、日本軍はより強力にモンゴルに対抗、モンゴル軍の戦力を削いでくれましょう。」
ドヒニチャン「うむ、では逃がすとするか。」
北条泰時「…後悔なさるなよ！」

こうして北条泰時は日本へ引きかえすこととなった。また、臨安を落としたことにより、長江以南の都市は次々と降服、中国の南半分は全てシュリーヴィジャヤ王国の支配下に帰したのである。

注１：「宮殿破壊」で城を落とした後は耐久値「１」となるが、この耐久値は宮殿＋城門の値なので、「１」だった場合宮殿１＋城門０となってしまい、結果城門は開けっ放しという情けないことになる。

このころの国際情勢。ムワッヒド朝が大健闘。
イギリスとフランスが血で血を洗う戦いをしてる間にすっかり世界に取り残されているのがよくわかる。
ハンガリーが悲惨としか言いようが無い。

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