マムルーク朝

女スルタンから始まった奴隷軍人の王朝

初期の混乱とアイン＝ジャールートの勝利

13世紀中期より２世紀半、エジプト・シリアはマムルークと呼ばれる奴隷軍人の王朝に支配された。アイユーブ朝を軍事面で支えたトルコ人主体のマムルーク軍団は十字軍のエジプト攻撃を撃退して王朝への支配力を強め、1250年にスルタンの寡婦シャジャル＝アッドゥツルはマムルークを指揮し政権を奪い自らスルタンとなった。これがバフリー＝マムルーク朝の興りである。初期の政権は陰謀・暗殺による政変が絶えず、シャジャルをはじめ多くのスルタンが非命に倒れた。1260年にはアッバース朝を滅ぼしたモンゴル軍がシリアを攻略、バフリー朝は危機を迎えたがスルタンのクトゥズとその部将バイバルスはアイン＝ジャールートの会戦でこれに大勝、シリアを確保した。これよりしばらくマムルークはモンゴル騎兵と野戦で互角以上に戦える唯一の存在として活躍する。

バイバルスとバフリー＝マムルーク朝の発展

キプチャク族出身のマムルーク・バイバルスはクトゥズを殺し自らスルタンとなり、イスラムの軍事イクター制に基づく非世襲の土地分封制度を確立して彼らの支持を得、政権を安定させた。さらにアッバース朝カリフ一族の保護・カリフ制再興やシリアをめぐるモンゴル軍・十字軍への連戦連勝でスルタンの威信を大いに高めた。

その後スルタン位は彼の部将カラーウーンの一族による世襲が定着、彼らは13世紀末までにシリアの十字軍国家を完全に滅ぼし14世紀初期のカラーウーンの子ナーシルの治世で最盛期を迎えた。マムルーク朝を支えたのは首都カイロの繁栄とカーリミーと呼ばれた国際商人の活躍である。カーリミーは王朝の保護下で香辛料貿易で巨財を築く一方で新規のマムルークを購入・提供し政治にも強い影響力を発揮した。

シナリオ２では…

所有都市: カイロ・ダマスカス
初期の将軍: バイバルス・バラカ・アハマッド・ハッリカーン・タイミーヤ・カラーウーン; （王族サラーミシュが後に配下に）
友好国: キプチャク=ハン国・チャガタイ=ハン国（各友好8
敵対国: イギリス・両シチリア王国（各友好6）、神聖ローマ帝国・イル=ハン国（各友好5）、フランス（友好4）
文化アイテム: 薬草集（医術+8)、医学格言集（医学+6）、アラベスク（芸術+4）、ミナレット（建築+4）、世界地図（航海+6）、火薬（牧畜+5）、ギリシア火（武器+7）、投石機（武器+7）
編成可能兵科: 突撃騎兵・軽弓騎兵・駱駝兵・投石機・火炎放射器・軽歩兵・短弓兵

ブルジー＝マムルーク朝

ナーシル没後のバフリー朝は後継争いの内部抗争や黒死病の流行により衰退、これに乗じてチェルケス人を主体としたブルジー＝マムルークの長・バルクークが1382年に政権を奪いブルジー朝を開いた。ブルジー朝は軍人の世襲を全く認めずスルタンさえも実力本位で決定した。15世紀に財政危機に見舞われ香辛料の専売で対処したが王朝を支えたカーリミー商人を没落させてしまい、同世紀末のポルトガルのインド航路開拓で王朝の経済は大打撃を受けた。1517年にオスマン＝トルコにより滅ぼされた。

シナリオ４では…

所有都市: カイロ・ダマスカス
初期の将軍: シャアバーン・アッサーリフ・バルクーク・アスアルディー・アルアターベキー・カラー=ユースフ
友好国: キプチャク=ハン国（友好9）
敵対国: 両シチリア王国（友好5）
文化アイテム: 薬草集（医術+7)、医学格言集（医学+6）、アラベスク（芸術+4）、ミナレット（建築+4）、世界地図（航海+5）、火薬（牧畜+5）、ギリシア火（武器+7）、投石機（武器+7）
編成可能兵科: 突撃騎兵・軽弓騎兵・駱駝兵・投石機・火炎放射器・軽歩兵・短弓兵